本申請課題では、重要生薬半夏の原料植物カラスビシャクの育種と植物工場での大量育苗を目的とした基礎研究を実施した。特に、本研究課題の成果としては、品質評価が困難なカラスビシャクについて多糖を対象とした免疫化学的分析手法を構築した。カラスビシャク含有多糖を極めて特異的に認識するモノクローナル抗体を作製し、本抗体を用いて迅速簡便なELISAを構築した。続いて、本ELISAをスクリーニング法として活用し、全国40か所以上から採取したカラスビシャクを精査し、収量が高く、かつ多糖を豊富に含んだ優良品種の選抜に成功した。また、植物工場でのカラスビシャクの育苗における最適条件も設定することに成功した。
|