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2013 年度 実施状況報告書

核外輸送系を標的とした抗ウイルス活性を持つ新規シード化合物の天然資源からの探索

研究課題

研究課題/領域番号 25460125
研究種目

基盤研究(C)

研究機関長崎大学

研究代表者

渡辺 健  長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00346909)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード天然資源 / ウイルス / 抗ウイルス薬 / スクリーニング
研究概要

インフルエンザウイルス等のいくつかの病原性ウイルスは、細胞へ感染した後に細胞の核から細胞質への輸送系(核外輸送系)を利用して増える。申請者はこの様なウイルスに特徴的な増殖過程を標的とした抗ウイルス薬開発をこれまでに行ってきた。本研究は抗ウイルス薬開発のための資源の供給源として、主として天然医薬資源に着目する。申請者がこれまで構築してきたインフルエンザウイルスやヘルペスウイルスでの系等を応用し、薬剤耐性の出にくい抗ウイルス剤の発見を目指す。天然医薬資源から培養細胞を用いたモデル系でシード分子を探索、将来的により効果的なリード分子への展開を図ることを目的とする。
平成25年度の研究実績の概要は以下の通り。
・所属異動にともない、既存の抗ウイルス剤を指標として、新たに細胞培養環境の整備、既存の抗ウイルス剤を利用し、評価系の再確立を行った。
・天然資源由来の抗ウイルス活性の作用機序を解明を行った。培養細胞を用い、トルコの薬用植物(Alchemilla mollis)水抽出液の抗インフルエンザウイルス効果およびライチ由来ポリフェノールの抗ベータノダウイルス効果を明らかにし、学会および論文発表を行った。
・はちみつの抗ウイルス活性に着目、スクリーニングを行った。その結果多くのはちみつの中でもマヌカはちみつが高い抗インフルエンザウイルス効果を持つこと、既存の抗インフルエンザウイルス薬との併用により高い効果を示す事を明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成25年度の研究実施計画で挙げた項目4つについてそのうち2つは達成できているが2つは達成出来ていないため、やや遅れていると判断した。
・予備的結果を発展させ、天然資源由来の抗ウイルス活性の作用機序を解明。この項目は達成できた。2報の論文にまとめて発表を行った。・新たな環境で細胞培養環境の整備、培養細胞へのウイルス感染系の再構築: この項目は達成できた。
・天然資源に限らない抗ウイルス剤候補の探索: この項目は達成できていない。実験を平成26年度に入って開始した。 ・天然資源の入手:世界各地から天然資源を入手する。この項目は達成できていない。

今後の研究の推進方策

研究計画の遅れを回復するため以下の方策をとる。
・天然資源由来の抗ウイルス物質を培養細胞レベルで調べる。
・天然資源に限らない抗ウイルス剤候補の探索:効果的な抗ウイルス活性をもつ物質を探索するために天然資源だけにかぎらず、分子シミュレーションの手法を使った抗ウイルス剤の候補の探索を開始する。インシリコスクリーニングを用い、ウイルス増殖に大きな影響をおよぼすウイルス蛋白質または宿主蛋白質に特異的に結合する化合物を探索する。
・天然資源の入手:平成25年度で計画していたように、抗ウイルス剤探索のための天然資源の入手をすすめる。

次年度の研究費の使用計画

1.研究進行状況欄でも記述したように研究進行がやや遅れているため
2.研究室異動にともなう物品費について、準備がおくれたため今年度
の支出が限られたものになった。
平成25年度に達成できなかったインシリコスクリーニング・化合物の購入等に多額の
費用がかかるとみこまれるためその費用に充てる計画である。
抗ウイルス剤探索に培養細胞が必要である。そのための培地や試薬等の消耗品を購入する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Anti-influenza activity of Alchemilla mollis extract: Possible virucidal activity against influenza virus particles2013

    • 著者名/発表者名
      Makau JN, Watanabe K, Kobayashi N
    • 雑誌名

      Drug Discoveries & Therapeutics

      巻: 7 ページ: 189-195

    • DOI

      10.5582/ddt.2013.v7.5.189

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Evaluation of antiviral activity of Oligonol, an extract of Litchi chinensis, against betanodavirus.2013

    • 著者名/発表者名
      Ichinose T, Musyoka TM, Watanabe K, Kobayashi N
    • 雑誌名

      Drug Discoveries & Therapeutics

      巻: 6 ページ: 254-260

    • DOI

      10.5582/ddt.2013.v7.6.254

    • 査読あり
  • [学会発表] インフルエンザウィルス感染に対するMethylglycoxalとNeuraminidase阻害薬の併用による相乗的阻害効果についての検討

    • 著者名/発表者名
      チャリャシリワン シリワン、松永 彩香、渡辺 健、小林 信之
    • 学会等名
      第49回日本ウイルス学会九州支部総会
    • 発表場所
      長崎大学良順会館(長崎県長崎市)
  • [学会発表] トルコ民族薬用植物の抗インフルエンザ活性: Alchemilla mollis 抽出物のインフルエンザウイルスに対する殺ウイルス活性の可能性

    • 著者名/発表者名
      Juliann Nzembi Makau、渡辺健、小林信之
    • 学会等名
      第54回日本熱帯医学会大会
    • 発表場所
      長崎ブリックホール(長崎県長崎市)

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公開日: 2015-05-28  

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