研究実績の概要 |
配糖体合成に用いる糖転移酵素ライブラリーを拡大するためのcDNAクローニングを継続して実施した。イチゴの香気成分4-hydroxy-2,5-dimethyl-3(2H)-furanone(HDMF)の配糖化酵素のクローニングに関してEST情報を活用することにより、平成26年度までの研究においてFaGT1~FaGT9までの候補クローンを花托から単離していた。今年度は新たにFaGT10~FaGT13の4クローンを単離した。これらをHis-tagタンパク質として発現させて得た組換酵素のHDMFに対する配糖化活性を調べたところ、FaGT9に加えて、FaGT13に糖転移活性を見出し、HDMFに対する基質特異性も高いことが明らかになった。現在、組換酵素を用いてHDMF配糖体の大量調製を実施している。 ラットおよびヒトの小腸由来のcDNAライブラリーからlactose-phlorizin hydrase遺伝子のcDNAを単離し、発現用ベクターpCI-neoに組み込んでHEK239細胞に導入した。形質転換した細胞から調製した粗酵素液にbeta-glucosidase活性があることを確認できたが、発現レベルが安定せず、現在形質転換法について検討中である。
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