アネトールは薬剤排出ポンプPDR5およびその転写因子PDR3の転写亢進を抑制し、相乗的な抗真菌作用を発揮する。PDR3転写亢進の抑制には、ミトコンドリアDNA欠損によるLGE1経由のPDR3およびPDR5転写亢進の抑制が関与していた。また、細胞質Ca2+の低下に関わるゴルジ体Ca2+-ATPase PMR1およびその調節因子SWI/SNF複合体関連の欠損は相乗作用を消失させた。さらに、アネトールはCa2+蓄積を促進させたが、上記の欠損株では薬剤排出は恒常的に抑制された。以上より、Ca2+調節機構が薬剤排出関連遺伝子の調節にも関与し、Ca2+レベルの上昇は副次的なものである可能性が示唆された。
|