研究課題/領域番号 |
25460139
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
森田 博史 星薬科大学, 薬学部, 教授 (70220069)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 多環性天然物 / 抽出物ライブラリー / 機能性分子 / cassiarin / ceramicine |
研究概要 |
多環性天然物cassiarin A, F, ceramicine B をリード化合物として,合成的な手法により誘導化し,作用機序の解明,さらに有望な新規機能性分子の創製へと発展させる.また,当研究室が保有する数百種の熱帯未利用植物の抽出物ライブラリーを対象としてスクリーニングを行い,さらに新しい環骨格を有する多環性天然物の探索を行った. Cassiarin A をもとに,その骨格を維持しながら様々な置換基の導入,削除を行い,更に強力な活性を有する化合物の合成を行なった.この際,分子標的をより明確にするため,各種生物活性試験の検討も行なった.具体的には、cassiarin A のアナログ合成は、出発物質に様々なアルキル置換のジヒドロキシエステルを用い,Sonogashira カップリングによるアルキニル化と 6-endo-dig 環化を繰り返す合成計画を立て、各種アナログを合成した.一方,アルキル置換のクロモン誘導体からの biomimetic な cassiarin A 関連化合物の合成ルートも検討した. Ceramicine B を原料として,各種アナログを合成した.こうして得られた様々な活性と構造に関する知見をもとに,コンピュータシミュレーションによる構造活性相関を解析した. さらに,スクリーニングの結果,血管平滑筋弛緩作用を有するインドールアルカロイド,環状ペプチド,環状ジアリルヘプタノイドやリモノイド,リコポジウムアルカロイドなどを発見し,構造を明らかにすると共に活性を評価した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既にいくつかの cassiarin A および ceramicine B のアナログ合成を達成した.また,活性試験として計画した前駆脂肪細胞株の分化抑制および脂肪蓄積抑制作用,メラニン産生抑制活性,血管平滑筋弛緩作用やNO(一酸化窒素)を指標としたアッセイ系を確立し,新しい機能性多環性天然物の探索のためのスクリーニングを開始した.
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今後の研究の推進方策 |
Cassiarin A のアナログ体は,抗マラリア活性(マウスマラリア,Plasmodium berghei を用いた in vivo 活性試験)と血管平滑筋弛緩作用により評価を行う. 毒性は,各種細胞を用いた細胞増殖阻害試験により評価する.また,Ceramicine B の作用機序を明らかにする目的で,脂肪細胞分化に関する遺伝子発現,タンパク発現,そして転写活性化能について調べる.また,これらの生物活性に加えて,ceramicine B から合成したアナログを用いて,3D QSAR を用いた構造活性相関についても検討する.確立したスクリーニング系を活用して,アナログ体の活性評価を行うと同時に,さらに新たな多環性天然物の探索を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
実験試薬類の値引きにより、余剰金(372円)が発生した 次年度の実験試薬代に充当する
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