研究課題/領域番号 |
25460144
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
松田 久司 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (40288593)
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研究分担者 |
中村 誠宏 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (20411035)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | グレリン分泌 / シスプラチン誘発食欲不振モデル / ショウガ科 / メトキシフラボノイド / Kaempferia parviflora / ショウキョウ / [6]-shogaol / [10]-gingerol |
研究実績の概要 |
前年度に有効性を見出したショウガ科植物の Kaempferia pariviflora 根茎に含まれるメトキシフラボノイド類についてシスプラチン誘発食欲抑制ラットに対する効果について再度検討し、penthamethylquercetin に視床下部における食欲シグナルのひとつであるニューロペプチド Y (NPY) mRNA の発現亢進を確認した。また、代表的な健胃生薬成分のラット胃内分泌細胞を用いて検討したところ、ショウキョウに含まれる [6]-shogaol や [10]-gingerol にグレリン分泌遊離促進作用を見出した。一方、ショウキョウの主要成分 [6]-gingerol、Curcuma comosa 根茎から得られたジアリルヘプタノイド類には弱い活性化しか見いだせなかった。活性型グレリンの脱アシル化に関与するエステラーゼを阻害する成分を単離する過程で、Bombax ceiba 花部含有成分にエステラーゼ阻害活性物質を見いだした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおり、天然薬物の中から香辛料などの健胃生薬について食欲抑制マウスおよびラットを用いて摂餌量の影響を調べ、これまでに有効性を見出した Kaempferia pariviflora の主要成分 penthamethoxyquercetin に食欲シグナルのひとつであるニューロペプチドY (NPY) mRNA の発現亢進を見出した。代表的な健胃生薬に含まれる代表的な辛味成分について in vitro でグレリン分泌について検討したところ、ショウキョウに含まれる [6]-gingerol および [10]-gingerol にグレリン分泌促進活性を見出し、微量成分については関連誘導体を合成した。また、タイ産薬用植物から活性型グレリンの脱アシル化に関与するエステラーゼを阻害する成分を単離し、それらの化学構造を明らかにするなどほぼ計画どおり進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
in vitro でグレリン分泌促進活性を見出した成分についてはマウスおよびラットを用いた詳細な研究を進める。微量成分 [10]-gingerol などについては合成を行う。
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