研究課題
昨年度までの研究において見出した4種類のIDO阻害剤(1~4)の誘導体デザイン・合成および評価を実施した。具体的には、既に解明している構造活性相関を基盤として、in silicoドッキングスタディ(SBDD)も交えながら、化合物(1~4)に対する薬物設計→合成→活性評価→薬物設計のサイクルを推進した。その結果、活性を増強させた複数の化合物を創製することに成功した。これらの一連の研究成果として、IDO阻害活性が当初目標のIC50 = 0.1μMを上回る強力なIDO阻害活性を示す化合物を多数見出すことに成功した。そこで、本化合物を用いたin vivo薬効薬理評価を実施した。その結果、すべてのケモタイプで用量依存的な薬理活性が認められ、初めてin vivo薬理活性を示す化合物を見出すことに成功した(特許・論文投稿予定)。一方で、それぞれのケモタイプにおける不活性類縁体(=IDO阻害活性がない化合物)ではin vivo活性を示さなかったことから、本薬理活性はIDO阻害に基づく薬理活性が発現したと考えられる。以上の結果より、3年間の研究期間においてIDO阻害剤のリード化合物候補を取得することができた。すなわち、研究開始当初の目的であった『革新的抗がん剤の開発』および『免疫寛容解除に基づく新規薬物治療体系の開拓』において一定の化学基盤が構築できたと考えられる。今後も本研究の推進を通じて、さらなる基盤強化を図る予定である。
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http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~wwa1068/research_Kynurenine.html