研究課題
これまでに申請者は、強力かつ高いアイソザイム選択性を有するACAT2選択的阻害剤の創製を目的に、pyripyropene Aの構造活性相関研究を進め、現在までに天然物の活性並びにアイソザイム選択性を大きく上回る誘導体を見出すことに成功している。今年度は、前年度に合成を達成したものの活性を有さなかった、側鎖に酸素官能基を残したA環簡略型誘導体に対し、pyripyropene Aの構造活性相関研究にて見出された官能基を導入することで、ACAT2阻害活性を発言させることができるか試みた。すなわち、前年度合成を達成したA環簡略型誘導体に対し7位にpara-シアノベンゾイル基、また1,11位にortho-メチルベンジリデンアセタールを導入した誘導体を順次合成し、活性を評価することとした。所望の誘導体群は、前年度構築した合成経路を踏襲し、順次対応する官能基を導入することで効率よく合成することができた。活性評価の結果、7位にpara-シアノベンゾイル基を有する誘導体群はいずれもACAT2阻害活性を示し、その強さは天然物と同等であった。またortho-メチルベンジリデンアセタールは活性発言に必須ではないことが明らかとなった。またこれらは天然物には及ばないものの、中程度のアイソザイム選択性を示した。すなわち合成低分子化合物としては極めて高いACAT2阻害活性並びにACAT2選択性を有する誘導体の創製に成功した。
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Bioorganic & Medicinal Chemistry
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