生物活性化合物の部分構造として広く存在するベンズアミド(またはアニリド)構造には、見過ごされがちであるが、軸性キラリティーが潜在している。このようなアミド型軸不斉が生物活性の発現において重要な役割を果たしていることを明らかにし、最終的には、新たな生物活性物質、医薬品シードの創製を目指すものである。特に、N-ベンゾイル-5-置換-1-ベンゾアゼピン骨格をもつトルバプタン型のバソプレシン受容体拮抗薬について、活性発現には5位中心不斉よりも軸不斉構造の寄与が大きいことを明らかにした。また、N-スルホニル1-ベンゾアゼピン類でも軸不斉異性体があることを明らかにした。
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