研究課題
平成25年度の研究において、Met Try Kinase不活性型分子モデル構造を用いて、私共の開発したin silico創薬手法COSMOS法を用いて最適結合ペプチド(Pep2)を分子設計し、阻害活性があることを確認した。さらにこのPep2の低分子変換設計を行ったが、Pep2より強い低分子化合物を得ることはできなかった。そこで、平成26年度においてはまず、Pep2の結合Siteをコンピュータシミュレーションにより解析を行った。興味深いことに、Pep2はMet Try Kinase活性部位の近傍のAllosteric Siteに結合することを見出した。そこで、Pep2存在下で既存のMet Try Kinase阻害剤の併用効果を検討した。その結果、Pep2は既存阻害剤の効果を相乗的に強めることを明らかにした。この発見は、Allosteric Siteの重要性を示すものであり、Allosteric-Catalytic Sites Dual Inhibitorsなど、これまでにない新規Kinase阻害剤を創成する新規制がん剤を開発する基礎となると考えられる。
1: 当初の計画以上に進展している
平成25年度(初年度)で分子設計したMet Try Kinase結合最適ペプチドPep2がAllosteric Siteに結合することを見出し、さらに、既存のMet Try Kinase阻害剤の効果を相乗的に強めることを発見した。
(1)Pep2の結合部位について、共結晶を作製し、X線結晶解析を行うことによって決定する。(2)Pep2の結合Allosteric Siteの構造ベースに低分子化合物への変換設計を行う。(3)Met Try Kinase阻害剤(Catalytic Site)とAllosteric Site結合低分子化合物との相乗効果を検証する。(4)上記2化合物併用の制がん効果を細胞及び動物レベルで検証する。 (5)上記2化合物によるDual Inhibitorsの設計・化学合成、又は合剤の創製を行う。
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