研究課題
平成26年度の研究において、Pep2がMet Try Kinase活性の部位の近傍のAllosteric Siteに結合することを見出した。さらに、Pep2存在下で既存のMet Try Kinase阻害剤の併用効果を検討した結果、Pep2は既存阻害剤の効果を相乗的に強めることを明らかにした。しかし、Pep2のAllosteric効果は弱く、また、そのミメティック低分子化合物としてスクリーニングした3種類の化合物の効果も弱い結果となった。その原因は、Pep2のAllosteric効果が弱いことに一義的に起因すると考えられる。そこで、Pep2を最適化し、Allosteric効果の強いPepAを分子設計し、化学合成してそのAllosteric効果を評価した結果、7倍強いことが判明した。そこで次に、その結合配座を基に低分子交換設計を行った。その結果、非常に興味深いことに、これまでにない強いAllosteric効果を有する低分子化合物(AI)を創成することに成功した。現在、このAIと既存のc-Met Kinase阻害剤(CI)との併用効果の検討、及びAI-CIとを連結したDual Inhibitorsを設計し、新規Kinase阻害剤の創製を進めている。本研究は制がん剤開発のための多くの創薬ターゲットであるKinaseに対して、特異性の高い阻害剤を創成することを可能にするものであり、新規制がん剤を開発するためのin silico手法として独創的なプラットホームとなり得ると考えられる。
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