臨床応用可能な新薬開発にたどり着く確率が大変低くなっている昨今、環境に負荷をかけないコンピュータシミュレーション(in silico解析)を活用した合理的創薬アプローチが有効である。本研究では、高精度第一原理計算およびバイオインフォマティックスを融合した新たな計算機支援型創薬基盤を確立し、副作用の少ない薬物候補化合物の設計開発に成功した。具体的には、インフルエンザNA全ての亜型に対して有効で、かつヒトNeuには不活性な新規抗インフルエンザ薬、また、副作用を軽減し抗糖尿病活性を有する生活習慣病候補化合物、さらには、未だ治療薬やワクチンがないウイルス感染症に有効な新規リード化合物の開発に到達した。
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