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2013 年度 実施状況報告書

HSP47を標的とするペプチド性抗線維化薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25460158
研究種目

基盤研究(C)

研究機関早稲田大学

研究代表者

小出 隆規  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70322253)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードペプチド / コラーゲン / 分子シャペロン
研究概要

(Pro-Hyp-Gly)3-(Pro-Arg-Gly)3-(Pro-Hyp-Gly)3のコラーゲン様配列を有するペプチドをFmoc型固相法により合成した。また、既知のcell-penetratingペプチドとして(Arg)9およびそのエナンチオマーである(D-Arg)9を合成した。さらに、これらペプチドのC末端に小胞体滞留シグナルであるLys-Asp-Glu-Leuを付加したものも同様に調製した。ペプチドのN-末端には顕微鏡下で可視化するためにフルオレセインを導入した。合成したペプチドは逆相HPLCで単一に精製し、質量分析により構造を確認した。コラーゲン様ペプチドについては、4℃で一晩放置後、円偏光二色性スペクトルを測定することにより、3重らせん構造を取っていることを確認した。また、3重らせんの変性温度は、37℃以上であった。
これらペプチドをHeLa細胞に添加し、共焦点レーザー顕微鏡をもちいて観察した。その結果、細胞内にフルオレセインの蛍光が観察された。このことから、これらのアルギニン‐リッチペプチドは、cell-penetratingペプチドとして機能し、効率的に細胞に取り込まれていることが示された。さらに取り込まれたペプチドの細胞内局在を調べるため、Lyso tracker Red(リソゾーム), Golgi tracker Red(ゴルジ体), ER tracker Red(小胞体)による赤色蛍光との共局在性を調べた。その結果、コラーゲン様ペプチドの蛍光のほとんどはリソゾームに局在しており、長時間の培養後もゴルジ体あるいは小胞体との共局在は観察されなかった。このことから、ペプチドC末端への小胞体残留シグナルの付加のみでは、小胞体への逆行輸送を効率的に達成することは難しいことが推測された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究で用いる、アルギニン‐リッチなコラーゲン様3重らせんペプチドおよびその類縁体、コントロールとして用いるペプチドの調製は、予定どおり終了した。また、合成したペプチドの3重らせん構造の熱安定性も予想どおりであり、分子デザインの変更は必要なかった。
培養細胞へのペプチドの取り込み、および細胞内局在を調べるための実験系の構築も順調に推移した。

今後の研究の推進方策

現在使用しているペプチドのみでは、小胞体に至る効率的な逆行輸送は観察されなかった。このため、逆行輸送することが分かっているペプチド、たとえばShiga-like toxin等との共投与あるいは複合体化といった工夫が必要であると考えられる。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額は端数である。
当初の計画どおりに使用する。

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公開日: 2015-05-28  

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