重症呼吸器症候群SARSおよびアルツハイマー病の原因は異なるが、その治療には鍵となるプロテアーゼの阻害が最も有望と考えられている。本研究では、これら疾患の発症の鍵となるプロテアーゼ阻害に基づく治療薬開発を目的として非ペプチド型阻害剤の創製を行った。各疾患の標的プロテアーゼは、SARS 3CLプロテアーゼとβセクレターゼBACE1である。申請者がこれまで進めてきた複合体構造解析研究で明らかにしたペプチド性阻害剤とプロテアーゼとの主要相互作用部位である疎水性側鎖構造を環構造に組み込んだデカリン型骨格を論理的に設計し、これまでに例のない新規非ペプチド型阻害剤を開発した。
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