研究課題/領域番号 |
25460161
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪薬科大学 |
研究代表者 |
和田 俊一 大阪薬科大学, 薬学部, 准教授 (30278593)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | Aib / 両親媒性ヘリックスペプチド / 膜透過性ペプチド / 核酸医薬 / アンチセンス / siRNA |
研究概要 |
1.Aib 含有ヘリックスペプチドのデザインと合成・・・ペプチドの合成は,Fmoc-固相合成法で行い,以下のアミノ酸配列のように Aib (α-aminoisobutyric acid) と Lys を組み合わせて両親媒性ヘリックス構造を持つペプチドの合成を行った.以下のペプチドを基本配列とし,その基本配列中の疎水性面側のアミノ酸残基の2,8,14,20番目に Cys 残基を組み込んだペプチドを合成した.この Cys 残基の側鎖チオール基を介してがん細胞に高率に発現しているインテグリンレセプターに親和性の高い環状ペンタペプチド [cyclic(-Arg-Gly-Asp-D-Phe-Cys-)] を結合させた.両親媒性ヘリックスペプチド中における,環状ペンタペプチドの位置や数の異なるペプチドアナログを5種合成した. 基本配列:Ac-Lys(1)-Leu(2)-Aib(3)-Leu-(4)-Lys(5)-Leu(6)-Aib(7)-Leu(8)-Lys(9)-Aib(10)-Leu(11)-Lys(12)-Ala(13)-Aib(14)-Leu(15)-Lys(16)-Leu(17)-Aib(18)-Gly(19)-NH2 2.Aib 含有ヘリックスペプチド-オリゴヌクレオチド複合体のヌクレアーゼ抵抗性の検討・・・上記の基本配列を有したペプチドと一本鎖 15mer オリゴヌクレオチドとを静電的相互作用を利用して複合体を形成させ,哺乳類由来血清中での安定性を検討したところ,反応24時間で60%以上のオリゴヌクレオチドが安定に存在していることが分かった.故に,オリゴヌクレオチドがペプチドとの複合体を形成することにより血清中での安定性が上昇することが分かった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
両親媒性ヘリックスペプチドに Cys のチオール基を介して環状ペンタペプチドを結合させる合成実験に手間取った.このことが,H25年度の達成度に影響した.しかし,種々反応条件を検討し,この合成にはH25年度中に成功している.
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今後の研究の推進方策 |
上記に記したようにH25年度の研究計画において達成度がやや遅れていることから,H26年度以降は,より効率良く研究を推進していく予定である.H26年度からは,細胞を用いた実験にシフトしていくことから,アッセイ法については既に確立しているので,合成したペプチドの細胞実験はスムーズに推進していくことが可能であると期待できる.
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