TNBS(トリニトロベンゼンスルホン酸)直腸内投与法によりクローン病(CD)モデルマウスを構築した。そのCDモデルマスの病態進行ーnormal、 mild、severの3段階ーにともない、糞便を回収し、16S rRNAメタゲノム法を実施した。さらにmild、severについては、DNA-deduction法を実施した。また潰瘍性大腸炎(UC)モデルマウスについても、5%硫酸デキストラン自由飲水により構築し、同じく病態進行ーnormal、 mild、intermed、severの4段階ーにともない糞便を回収し、16S rRNAメタゲノム法を実施した。なお、メタゲノムのデータについては現在解析中であるが、特定の菌群が増減しているデータが得られており、今後さらに精査することにより、発症に強く関連すると思われる微生物の特定を行っていく。なお、DNA-deduction法を適応したサンプルからは、通常のメタゲノム解析法では見過ごされてるマイナー菌群と思われる複数の菌種が見出されており、それらの菌種の特性を調べることにより発症に関わる微生物を特定できる可能性がある。 前回UCモデルマウスより見出されたUC起因候補株について、その遺伝情報から特異性の高いと考えられるプローブを作成したが、非特異的な反応を抑えきれず、当該微生物の局在性等については知見を得ることができなった。今後さらに特異性を考慮したプローブを作成する予定である。 次年度から実施予定のHelicobacter sppによるモデル構築のための遺伝子改変については準備が整いつつある。
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