研究課題
今年度は、昨年度失敗したUCモデルマウスの構築を再度行った。これまでクローズド系のICRマウスを使用していたが、将来的な遺伝子解析への応用を考慮して近交系のC57BL/6を使用した。結果としてICRに比べ病態の現れ方がより均一的であった。メタゲノム解析の結果、特定の菌種が有意に増減していることが確認できた。Helicobacter cinaedi遺伝子改変-相補株作成については、1年間精力的に取り組んだが、シャトルベクターの構築は出来ず、何らかの未知の制限系が障害となっていると考えられた。昨年より準備を進めていたヒトUCの腸管細菌叢解析については、先方病院との倫理面での調整が難航し、実現に至らなかった。新たな病院との共同研究の可能性を検討中である。3年間の研究期間を通して、モデルマウスの構築とその腸内細菌叢について一定の知見を得ることが出来た。想定した起因菌については、病態変化とともに、その存在あるいは一定量の増減の可能性を見ることができ、起因菌/起因菌群の一部としての可能性が非常に高まった。またある種の抗生剤の前投与による病態抑制の再現も得られたので、治療に関する知見も得られた、と考えている。当初予定の研究目標に照らし、免疫反応特性については実施できなかったが、起因菌(群)と目される菌群の存在と、抗生剤の効果について一定の知見が得られたことから、荒削りながら、計画に沿った研究成果を得ることが出来た。
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