亜鉛は必須微量元素で、生理的役割は多岐にわたる。その役割いくつかは遺伝子発現を介して発揮されていると予想され、遺伝子発現の調節には転写因子MTF-1が関与している。本研究課題では、亜鉛による転写活性化機構に関して、転写共役因子p300のHATドメインがDNA結合においても正の制御因子として機能していることを明らかにした。また、亜鉛欠乏に応答するエピジェネティックな制御に関しては、その分子機構を明確に示すことは出来なかったが、カドミウムがMTプロモーターにおいてDNAの脱メチル化というエピジェネティックな変化を引き起こし、MT遺伝子の発現を正に制御することを示した。
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