研究課題
肝細胞癌患者に対するソラフェニブの1か月以内の中止や減量について予測可能な薬物動態学的パラメーターを見出したので、予測因子になりうるか否かを症例数を増やして精査中である。さらにソラフェニブを安全にかつ有効に長期間(>6か月)服用するためのソラフェニブ、および主要代謝物のトラフ値を算出した。一方、ソラフェニブ投与前の検査値を含む患者情報から、服用後の上述の薬物動態学パラメーターと非常によく相関する情報として肝機能検査値であるASTやALT、D-BILなどが抽出された。今後、詳細な解析が進めば、ソラフェニブの服用前に服用後の副作用による中止や減量が予測可能となる。また、ソラフェニブ治療を受けている肝細胞癌患者をウイルス感染の有無(-, B型, C型)に分けて、治療前、治療後の血清を用いたメタボローム解析を行った。解糖系/糖新生、TCAサイクル、クエン酸回路においてウイルス感染の有無による差が認められたが、今後症例数を増やして検討する必要がある。
2: おおむね順調に進展している
分子標的薬のソラフェニブを用いた肝細胞癌患者の治療において、副作用の予測因子を絞りこむことができ、副作用を回避し、治療を継続するためのトラフ値の目安を提案することが可能となり、研究は、概ね順調に進展していると考えている。
肝細胞癌患者を対象としたソラフェニブ服用開始から1か月以内に副作用による減量や服用中止を予測できる候補因子を絞り込むことができたので、これらの候補因子が実臨床にて有用なバイオマーカーとなりうるのか否かを対象患者数を増やして精査する。
現在、順次鳥取大学医学部附属病院での研究を遂行するための準備を行っており、2015年度からは、全面的に研究開始となる予定である。
今後、鳥取大学医学部附属病院においても患者検体を測定していくため、カラムや試薬、移動相などの購入、関連領域の情報収集費や成果発表に充てる予定である。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (14件) (うち招待講演 2件)
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