研究概要 |
先に申請者は、脂質過酸化物から生じる4-oxo-2(E)-nonenal (ONE)が、アンジオテンシン (Ang) II (DRVYIHPF) のN末端アスパラギン酸の酸化的脱炭酸を促し、N末端ピルバミド体 (Ang P) を与える事を見出した (Lee et al., Chem. Res. Toxicol. 21:2237, 2008)。更にN末端の変化が、Ang IIタイプ1受容体との結合を著しく阻害する事を見出し、酸化ストレスと高血圧の関連を示唆した (Lee SH et al., Anal. Biochem. 437:10, 2013)。これらの知見を基に、平成25年度は以下の知見を得、その一部は既に報告済みである (Lee SH et al., Chem. Res. Toxicol., 2014, in press. DOI: 10.1021/tx400469x)。 1. Ang A、Ang III、Ang IV などN末端がアスパラギン酸以外の場合も同様に、ONEによりα-ケトアミド体へと変換した。 2. ONEに替わりヒドロキシラジカルを用いた場合、より効率的にN末端 α-ケトアミド体が得られた。 3. ピリドキサミン (PM) 存在下N末端ケトアミド体は、アミノ基転移によりD- および L-アミノ酸へと再生し、この反応は経時的かつPM濃度およびCu(II)イオンの添加で促進された。 4. ONE/ヒドロキシラジカル由来のN末端α-ケトアミド化とPM由来のアミノ基転移は、他の神経ペプチド(アミロイドβ1-11;neurokinin B, NKB; cholecystokinin-8, CCK-8; melanin-containing hormone, MCH) でも観察された。
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