研究課題/領域番号 |
25460192
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
林 秀樹 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (00419665)
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研究分担者 |
轟木 堅一郎 静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (70341451)
山田 浩 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (40265252)
伊藤 邦彦 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (90221770)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 関節リウマチ / 臨床薬理 / 血中薬物濃度 / 生物学的製剤 / メトトレキサート / トランスポーター |
研究実績の概要 |
近年、関節リウマチ(RA)のアンカードラッグであるメトトレキサート(MTX)の使用と抗サイトカイン療法の登場により、RAの治療成績は飛躍的に向上した。しかし、その効果には個人差が認められ、薬物応答性を予測するエビデンスは確立されていない。本研究において2013年度には、トシリズマブ抗イディオタイプリコンビナントFab(anti-Id rFab)を用いた血漿中トシリズマブ濃度迅速測定法を構築し、継時的にトシリズマブ濃度やサイトカイン濃度を測定することで薬効に影響する因子を明らかにしてきた。 2014年度には、末梢血単核球(PBMC)における葉酸トランスポーターPCFTおよびRFC1遺伝子発現レベルを解析し、MTXの有効性との関連について調査した。PBMC中のPCFTおよびRFC1 mRNA発現量と疾患活動性の相関を検討した結果、PCFT mRNA発現量と疾患活動性には相関が認められなかった (r2=0.040, p=0.113)。RFC1 mRNA発現量はPCFT mRNA発現量に比べ患者間の個人差が大きく、また有意に疾患活動性と相関していた (r2=0.576, p<0.001)。RFC1 mRNA発現量が高くなるほど疾患活動性が有意に低値を示した。本検討においては、RA患者におけるPBMC中の葉酸トランスポーターRFC1の遺伝子発現レベルと疾患活動性との相関関係を見出し、RFC1遺伝子発現レベルが有用なMTX薬効予測因子となる可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究においては、2014年度で予定の症例数の関節リウマチ患者から同意を得ることが終了した。外来診療時の採血も順調に実施できた。現在、前年度に引き続き、構築した血球中のメトトレキサートポリグルタメートの定量法を用いて、臨床検体の測定を実施中である。また、末梢血単核球におけるメトトレキサートの輸送タンパクであるRFC1遺伝子の発現量と薬効との関連および滑膜細胞におけるRFC1発現量についても調査を実施している。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、定量法を構築した赤血球中のメトトレキサートポリグルタメートの臨床検体の測定を行い、治療経過について総合的に評価する。また、葉酸代謝系の関連遺伝子の多型や発現量とメトトレキサートの薬効について評価し、関節リウマチにおける効果的な薬物療法を検討する。
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