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2014 年度 実施状況報告書

標識薬剤を用いた心疾患進行過程における心臓エネルギー獲得機能の変化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25460205
研究機関新潟大学

研究代表者

高橋 俊博  新潟大学, 医歯学系, 教授 (70143039)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード標識脂肪酸 / 心不全慢性期 / 心機能改善薬 / 心重量 / 心臓集積性 / 脂肪酸代謝機能改善
研究実績の概要

1.【標識薬剤、実験動物】(標識薬剤)薬剤として標識脂肪酸[I-131]9MPAを用いた。(心機能改善薬)PV(脂肪酸代謝機能改善予想薬)およびカルベジロール(心臓交感神経機能改善薬;Car)を用いた。(実験動物)正常動物群(正常群)、心不全(慢性期(CHF))モデル作成動物群(CHF群)及び(CHF+心機能改善薬)動物群(改善薬投与群(PV投与群、Car投与群))を用いた。(操作、改善度解析方法)〈操作〉正常群、CHF群および改善薬投与群に薬剤を投与し、心臓集積性を放射能計測により算出, 同時に心重量を計測する。次に各動物群において X軸に心重量値, Y軸に心臓集積性値をプロットしたグラフを作成する。〈解析方法〉実験動物3群の心臓において、X軸の変化より, 心機能改善度=(CHF群から改善薬投与群への X座標移動値)÷(CHF群から正常群への X座標移動値)のように、またY軸の変化より, 脂肪酸代謝機能改善度=(CHF群から改善薬投与群への Y座標移動値)÷(CHF群から正常群への Y座標移動値) のように各々の改善度を数値化した。
2.【研究内容】本研究では 実験動物3群の心臓における心重量増減の検討、心臓集積性実験等を行い、改善薬の薬効を心機能の改善度及び脂肪酸代謝機能の改善度として数値化することにより、2種の改善薬間の脂肪酸代謝機能(エネルギー獲得機能)の改善度の違いを示した。【結果、考察】PV投与群では、心機能改善度=0.57、脂肪酸代謝機能改善度=0.89の結果となり、PVの薬効は中程度の心機能改善作用を有し, 且つ主な作用点は脂肪酸代謝機能改善であることがわかった。一方 Car投与群では、心機能改善度=0.59、脂肪酸代謝機能改善度=0.15であり、Carの薬効は中程度の心機能改善効果を有するが、脂肪酸代謝機能改善への寄与はわずかであることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成26年度は標識脂肪酸および正常動物、慢性心不全(CHF)動物、CHF+心機能改善薬動物を用いた動物実験(心重量の変化、心臓集積性の経時変化実験)を行い、心機能改善薬の薬効を心機能改善度および脂肪酸代謝機能改善度の点で数値化することにより、用いた2種の改善薬(PVおよびCar)の心機能改善の作用点および改善の程度を検討することにより、改善薬の違いによる慢性心不全からの脂肪酸代謝機能(エネルギー獲得機能)の改善度の違いを数値により示した。上記のように、平成26年度はほぼ申請通り(内容:心機能改善薬の薬効を、脂肪酸代謝機能(エネルギー獲得機能)の変化より評価)実験が進行し、自己点検による「研究の目的」の達成度は約85%(おおむね順調)と評価した。

今後の研究の推進方策

1.平成27年度は心不全疾患の進行過程(3段階:正常→心不全(急性期)→心不全(慢性期))における心臓エネルギー獲得機能の変化について検討する。
2.【実験材料】(標識薬剤)脂肪酸代謝を評価する薬剤として標識脂肪酸[I-131]9MPAを、糖代謝を評価する薬剤として標識糖[C-14]2DGを用いる。(実験動物)正常動物群(rat;正常)、心疾患作成動物群(rat;心不全(急性期、慢性期);ヒト巨細胞性心筋炎様自己免疫性心筋炎モデル作成動物)を用いる。(標識薬剤投与法)2種の標識薬剤の同時投与【研究内容・方法】正常心臓および心不全(急性期、慢性期)心臓における集積性経時変化実験、局所集積性画像化実験(ARG)、脂肪酸代謝物実験、組織標本作成等を行い、心不全疾患の進行過程(正常→心不全急性期(炎症期;心臓拡張)→心不全慢性期(心筋線維化))における心臓エネルギー獲得機能(脂肪酸代謝機能および糖代謝機能)の変化について検討する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 心不全進行過程における心臓エネルギー獲得機能の変化ーオートラジオグラフィを用いた検討ー2015

    • 著者名/発表者名
      川嶋友彰
    • 雑誌名

      新潟大学医学部保健学科放射線技術科学専攻卒業研究論文集

      巻: 第12巻 ページ: (37)1-6

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 心臓集積性標識薬剤(MIBG)を用いた心機能評価ー心機能改善薬の薬効評価ー2014

    • 著者名/発表者名
      高橋俊博
    • 雑誌名

      新潟核医学懇話会誌

      巻: Vol.41 ページ: (研発2)1-6

    • DOI

      ISSN 1882-2835

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 標識脂肪酸を用いたPV(心臓脂肪酸代謝機能改善予測薬)の薬効評価2015

    • 著者名/発表者名
      渡辺彩華
    • 学会等名
      日本薬学会第135年会
    • 発表場所
      神戸市(神戸サンボーホール)
    • 年月日
      2015-03-27 – 2015-03-27
  • [学会発表] 心機能診断放射性薬剤([I-125]MIBG)を用いた心機能改善薬の薬効評価2015

    • 著者名/発表者名
      王智佳
    • 学会等名
      日本薬学会第135年会
    • 発表場所
      神戸市(神戸サンボーホール)
    • 年月日
      2015-03-27 – 2015-03-27

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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