研究実績の概要 |
1.【標識薬剤、実験動物】(標識薬剤)薬剤として標識脂肪酸[I-131]9MPAを用いた。(心機能改善薬)PV(脂肪酸代謝機能改善予想薬)およびカルベジロール(心臓交感神経機能改善薬;Car)を用いた。(実験動物)正常動物群(正常群)、心不全(慢性期(CHF))モデル作成動物群(CHF群)及び(CHF+心機能改善薬)動物群(改善薬投与群(PV投与群、Car投与群))を用いた。(操作、改善度解析方法)〈操作〉正常群、CHF群および改善薬投与群に薬剤を投与し、心臓集積性を放射能計測により算出, 同時に心重量を計測する。次に各動物群において X軸に心重量値, Y軸に心臓集積性値をプロットしたグラフを作成する。〈解析方法〉実験動物3群の心臓において、X軸の変化より, 心機能改善度=(CHF群から改善薬投与群への X座標移動値)÷(CHF群から正常群への X座標移動値)のように、またY軸の変化より, 脂肪酸代謝機能改善度=(CHF群から改善薬投与群への Y座標移動値)÷(CHF群から正常群への Y座標移動値) のように各々の改善度を数値化した。 2.【研究内容】本研究では 実験動物3群の心臓における心重量増減の検討、心臓集積性実験等を行い、改善薬の薬効を心機能の改善度及び脂肪酸代謝機能の改善度として数値化することにより、2種の改善薬間の脂肪酸代謝機能(エネルギー獲得機能)の改善度の違いを示した。【結果、考察】PV投与群では、心機能改善度=0.57、脂肪酸代謝機能改善度=0.89の結果となり、PVの薬効は中程度の心機能改善作用を有し, 且つ主な作用点は脂肪酸代謝機能改善であることがわかった。一方 Car投与群では、心機能改善度=0.59、脂肪酸代謝機能改善度=0.15であり、Carの薬効は中程度の心機能改善効果を有するが、脂肪酸代謝機能改善への寄与はわずかであることがわかった。
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