研究課題
【目的】放射線治療が行われる頭頸部癌患者および造血幹細胞移植前の大量抗がん剤が投与される造血器系腫瘍腫患者において高頻度の発現する口内炎に対するポラプレジンク(PZ、プロマック顆粒15%)の予防効果について検討した。【方法】(1)PZトローチの作製:PZ顆粒にAG、マンニトールM100、セルロースUF-702、香料、スクラロース、アセスルファム、アスパルテームを添加し、打錠器(N-30E、岡田精工)を用いて成型した。製剤の含量均一試験、安定性試験硬、硬度試験を実施し、日本薬局方の基準を満たしたものを臨床研究に供した。(2)PZトローチの臨床効果の評価:造血幹細胞移植前の大量抗がん剤が投与される造血器系腫瘍腫患者を対象として、口内炎予防効果について評価した。主要評価項目をグレード2以上の口内炎発現率、副次評価項目を口内炎による疼痛、口腔乾燥、味覚異常、鎮痛薬使用量とした。【結果】(1)PZトローチの製剤試験:常温常湿にて24週間まで保存した場合の含量は±3%以内で安定しており、含量均一試験ではAV値9.2%であり、許容値(15%)以内であった。(2)PZトローチの臨床効果:トローチが投与された患者は16名であり、過去にPZアルギン酸Na懸濁液(PZ-AG)が使用された31名とPZが使用されなかった19名の患者でのデータと比較した。グレード2以上の口内炎発現率はPZ非投与群で73%、PZ-AG群で23%、PZトローチ群では13%であり、PZによる有意な口内炎予防効果が見られ、鎮痛薬使用量も減少していた。なお、懸濁液とトローチ間では効果に差はなかった。【考察】PZトローチはPZ-AGと同様に抗がん剤による口内炎に対して優れた予防効果を発揮することが明らかになった。
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European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics
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Head & Neck
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10.1002/hed.24446