本研究は、有害事象自発報告データの弱点を理解しその対応策を確立することを目的として実施した。各種統計学的手法から得られる解析結果から、市販後の安全監視にはRORが、薬剤疫学的研究にはEBGMがより適していることが示唆された。また、解析対象薬剤の実臨床上の適応患者層に応じて、年齢や性別による層別解析を実施する必要があることが明らかとなった。さらに、同効薬の場合、データベースに登録される有害事象数は、薬剤の発売順序や有害事象の重篤度の影響を受けることが示された。これらの点を考慮することで、統計学的手法による解析とその結果の解釈を適切に実施できるようになることが示された。
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