トラマドール(TR)代謝に関連するCYP2D6遺伝子多型別にTR血中濃度測定し、その血中濃度推移および副作用発現状況を調査した。その結果、CYP2D6遺伝子に変異を有し、CYP2D6代謝活性能力低下群では、変異のない通常代謝能力群に比較するとTR血中濃度が高く推移することを見出した。副作用の評価項目として抽出した頭痛、嘔気や嘔吐は、TR投与開始7日間では、CYP2D6代謝活性能力低下群での発現頻度は通常能力群より有意に高かった。 TR服用の際には、CYP2D6遺伝子多型を考慮することによって、より効果的かつ安全ながん緩和ケアを提供できると考えられる。
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