| 研究課題/領域番号 |
25460217
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 研究機関 | 名古屋市立大学 |
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研究代表者 |
藤井 聡 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (90291228)
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| 研究分担者 |
尾関 哲也 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (60277259)
磯貝 善蔵 独立行政法人国立長寿医療研究センター, その他部局等, その他 (20285208)
岩城 壮一郎 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 講師 (60399962)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| キーワード | 高齢者 / 皮膚潰瘍 / 褥瘡 / 糖尿病 / 分泌型miRNA / バイオマーカー |
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| 研究概要 |
褥瘡や糖尿病性皮膚潰瘍は高齢者に高頻度にみられる疾患である。病態は急性創傷と異なり複雑で個別性は高い。申請者はこれまで治療に用いる薬剤と潰瘍生体成分の相互作用に着目し、治癒を促進する外用薬の組み合わせを見いだしてきた。しかし多様な病態に適した外用薬の選択は容易ではない。一方、細胞外に放出される分泌型マイクロRNA (miRNA)が新たな疾患バイオマーカーとして期待されている。平成25年度は褥瘡治療に用いられるガーゼの吸水性に関する研究を進め、浸出液をガーゼから効率的に回収する方法を確立した。また褥瘡・糖尿病性皮膚潰瘍に特異的なmiRNAを微量の浸出液や血液から効率よく検出するための条件を検討した。今後浸出液に存在する分泌型miRNAの解析を進めていくうえでの基盤とした。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
褥瘡治療に用いられるガーゼの吸水性に関する研究では臨床現場で用いられるガーゼの吸水性を評価した。ガーゼ1gあたり5-6gの吸水が見られた。吸水したガーゼからの水分は30分の遠心でおよそ90%を回収できた。滲出液のタンパク質量は血漿のタンパク質量より少ないためRNAの抽出はより効率的に行いうると推察された。また、リアルタイムPCR法で微量の浸出液や血液から効率よく分泌型miRNAを検出できるよう抽出法と反応条件を検討した。ヒトで血液0.5mlあたり数μgの総 RNAを得られる。miRNAはRNAサンプル全体にわずか0.01%程度しか存在せず、検出に数ngのmiRNAを必要とする。低酸素環境に暴露した血管内皮細胞株の培養上清中には微量のmiRNAが存在するのみであり、微量の浸出液ないし血液を用いて測定するには感度の向上が必要であった。
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| 今後の研究の推進方策 |
皮膚組織由来のmiRNAを臨床検査に応用することは高齢者には侵襲性が高い。侵襲性が低く簡便に検体を得て診断ができるよう分泌型miRNAに焦点を当てて解析する。
引き続き褥瘡・糖尿病性皮膚潰瘍に特異的なmiRNAを微量の浸出液や血液から効率よく検出する条件を検討して確立する。 miRNAの抽出・精製法およびリアルタイムPCR法の反応条件を改良することで、最終的に浸出液、全血数十μl以下あるいは創面処置に用いたガーゼや浸出液の付着した綿棒から効率よくmiRNAの検出を可能にする条件を明らかにしていく。その後、マイクロアレイを用いた褥瘡の進展・治癒過程に特異的分泌型miRNAの同定を行う。進展・治癒過程における分泌型miRNAのプロファイルを明らかにする。リアルタイムPCRでCt値が褥瘡の場所により異なればmiRNAのプロフィールが局所で異なることを反映してくる可能性がある。
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