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2016 年度 実績報告書

細胞接着分子による造精細胞の分化調節機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 25460241
研究機関熊本大学

研究代表者

若山 友彦  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (70305100)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード精巣 / 精子形成 / 細胞接着分子 / アダプター蛋白質 / ノックアウトマウス
研究実績の概要

精子形成に必須の細胞接着分子Cell adhesion molecule-1 (CADM1)の細胞内領域と相互作用するアダプター蛋白質B-box and SPRY domain containing protein (BSPRY)のノックアウト(KO)マウスを解析した。このKOマウスは、メンデルの法則に従ってホモマウスが得られた。ホモマウスの体重は、野生型やヘテロマウスと差はなかった。しかし、ホモマウスの精巣重量は60-80mgで、野生型やヘテロマウスの110-120mgよりも約30%小さかった。また、ホモマウスのオスを野生型マウスのメスと交配するとメスは妊娠したが、妊娠する割合は40%ほどで、野生型やヘテロマウスの約85%に比べて少なく、妊孕性が減少していることが分かった。そこで、精巣の組織像を観察すると、精細管において精子形成は生じているが、減数分裂後の精子細胞の形態に異常が見られ、多核の細胞をもつ精細管が多数見られた。また、精巣上体の尾部に成熟精子が見られたが、その数は、野生型やヘテロマウスの約2/3であり、形態異常を示す精子が約3倍見られた。したがって、細胞接着分子CADM1のアダプター蛋白質BSPRYは半数体の精子細胞の形態形成過程に必要であるが、BSPRYだけがCADM1による細胞間の情報を細胞内に伝える分子ではないことが分かった。BSPRYのKOマウスを用いることで、CADM1と相互作用をする分子を同定することができれば、CADM1による精子形成の調節の分子機構のさらなる解明につながるものと考える。CADM1のKOマウスに加えて、BSPRYのKOマウスは、精子形成の研究のための有用なモデル動物になり得ることも分かった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Identification of sperm equatorial segment protein 1 in the acrosome as the primary binding target of peanut agglutinin (PNA) in the mouse testis.2017

    • 著者名/発表者名
      Nakata H, Wakayama T, Asano T, Nishiuchi T, Iseki S.
    • 雑誌名

      Histochem Cell Biol.

      巻: 147 ページ: 27-38

    • DOI

      10.1007/s00418-016-1478-8

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 精子形成における造精細胞・セルトリ細胞間相互作用2017

    • 著者名/発表者名
      若山友彦
    • 学会等名
      第122回日本解剖学会総会・学術集会
    • 発表場所
      長崎市
    • 年月日
      2017-03-28 – 2017-03-30
  • [学会発表] 細胞接着分子による精子形成の調節機構2016

    • 著者名/発表者名
      若山友彦
    • 学会等名
      第24回 精子形成・精巣毒性研究会
    • 発表場所
      文京区
    • 年月日
      2016-12-03 – 2016-12-03
    • 招待講演
  • [学会発表] 細胞接着分子CADM1のアダプター蛋白質MPP6の野生型およびCADM1欠損マウス精巣における発現と局在2016

    • 著者名/発表者名
      若山友彦、Mahmoud Saad Gewaily、Suthat Duangchit、野口和浩
    • 学会等名
      第31回 日本生殖免疫学会総会・学術集会
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      2016-12-02 – 2016-12-03
  • [学会発表] 細胞接着分子CADM1のアダプター蛋白質MPP6の野生型およびCADM1欠損マウス2016

    • 著者名/発表者名
      若山友彦、Mahmoud Saad Gewaily、Suthat Duangchit、野口和浩
    • 学会等名
      日本解剖学会第72回九州支部学術集会
    • 発表場所
      長崎市
    • 年月日
      2016-10-29 – 2016-10-29
  • [学会発表] 細胞接着分子CADM1のアダプター蛋白質MPP6のマウス精巣における発現と局在2016

    • 著者名/発表者名
      若山友彦、Mahmoud Saad Gewaily、Suthat Duangchit、野口和浩
    • 学会等名
      第48回 日本臨床分子形態学会総会・学術集会
    • 発表場所
      熊本市
    • 年月日
      2016-09-23 – 2016-09-24
  • [学会発表] 精子形成における細胞接着分子の役割2016

    • 著者名/発表者名
      若山友彦
    • 学会等名
      第47回精子研究会
    • 発表場所
      秋田市
    • 年月日
      2016-06-04 – 2016-06-04
    • 招待講演
  • [備考] 生体微細構築学分野

    • URL

      http://www.medphas.kumamoto-u.ac.jp/research/bunya/2.html

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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