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2013 年度 実施状況報告書

Six遺伝子群による骨格筋再生と発生の制御

研究課題

研究課題/領域番号 25460250
研究種目

基盤研究(C)

研究機関自治医科大学

研究代表者

川上 潔  自治医科大学, 医学部, 教授 (10161283)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード筋衛星細胞 / Six4 / Six5 / 筋再生 / 筋発生 / クレアチンキナーゼ
研究概要

1.骨格筋再生過程におけるSix4およびSix5の役割―mdxマウスにおいてSix4及びSix5遺伝子の欠損が筋再生に与える影響
(1) 握力試験およびぶら下がり試験においてはmdxSix4+/-Six5-/-マウスとコントロールであるmdxマウスとの間で、有意差は見られなかった。 (2) 筋傷害の修復の度合いを評価するために血清クレアチンキナーゼ(CK)活性および乳酸脱水素酵素(LDH)の測定を行なった。mdxSix4+/-Six5-/-マウスのCK値およびLDH値はコントロールmdxに比べて低下しており、筋修復がより効率的になされていることが示唆された。 (3) 骨格筋を単離し筋繊維の太さと中心核の数を比較したところ、mdxSix4+/-Six5-/-マウスは筋繊維が太く、中心核の数も低下していた事から、筋再生がより進行している事が示唆された。
2. 骨格筋の発生におけるSix4およびSix5遺伝子の役割
Six4-/-Six5-/-2重変異マウスは生まれてくるが、重篤な臍帯ヘルニアを生じるために生後生き延びる事ができない。同マウスの骨格筋の発生に異常がないかどうかを調べるために、腹壁を形成する筋群(腹横筋、内腹斜筋、外腹斜筋、および腹直筋)の発生について、組織学的・免疫組織学的手法を用いて経時的に解析した。その結果、2重変異マウスでは筋形成に顕著な異常は見られず、筋分化に重要なMyoDやMyogeninタンパク質の局在についても野生型マウスとの違いは見られなかった。従って、骨格筋の発生においては、Six4およびSix5遺伝子は必ずしも必要ではないと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

25年度の研究計画に掲げた、mdxマウスにおける筋再生の様相につき、Six4及びSix5遺伝子欠損が及ぼす影響の解析が遂行できた。また、筋発生については遺伝子欠損の影響がほとんど見られず、再生に特異的な現象である事が確認できた。これらの結果から、Six4およびSix5遺伝子欠損は筋再生効率を変化させる事が明確になった。

今後の研究の推進方策

本年度観察できたSix4およびSix5の筋再生効率への影響が、筋衛星細胞の性質の変化によるのか、骨格筋自身の属性の変化によるのかを検証するために、Six4/Six5二重変異マウスから筋衛星細胞を単離し、筋衛星細胞のmdxマウスに対する移植実験を行なう。再生筋への寄与の程度を野生型の衛星細胞と比較する。寄与の測定にはSix4変異アリルに存在するlacZの活性染色ないし、単離筋衛星細胞のGFP標識を予定している。また、cardiotoxinによる筋傷害を与えた際の筋再生の効率についても比較検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Homeoproteins Six1 and Six4 regulate male sex determination and mouse gonadal development.2013

    • 著者名/発表者名
      Fujimoto Y, Tanaka, S. S., Yamaguchi, Y. L. Kobayashi, H., Kuroki, S., Tachibana, M., Shinomura, M., Kanai, Y. Morohashi, K. Kawakami, K. and Nishinakamura, R.
    • 雑誌名

      Dev. Cell

      巻: 416-430 ページ: 416-430

    • DOI

      10.1016/j.devcel.2013.06.018.

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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