本研究課題の遂行により、以下の点を明らかにした。 (1) 正常動物とNF-H KOマウスの卵胞閉鎖時の様子・閉鎖率・排卵数・受精率・着床率などの比較において統計学的に有意な差は見られず、NF-H分子の神経・卵における存在自体が生殖に大きな影響を及ぼす可能性は否定された。(2) IDPN投与により一過性の性腺に直接的な生殖毒性が雌雄ともに起こることを明らかにした。また、毒性を示す濃度以下の低濃度IDPNが卵成熟において促進的に働く作用はほぼないことも明らかにした。(3) 神経変性と関連するtauおよびFMR1の卵巣での発現とその局在の変化を明らかにした。
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