両生類から哺乳類にかけて機能的な要求に対応して大きく変化してきた肩帯,特に従来明らかではなかった肩帯筋の連続的な変化過程を明らかにして,肩帯進化の解明に寄与した.具体的には,3つの側面について観察した.①ハ虫類で発達していた烏口骨の退縮と肩甲棘の新生に伴った上腕屈筋群の分化過程を明らかにした.②四足動物で肩帯と体幹をつなぐ背側肩帯筋群の分化過程を明らかにするとともに,支配神経の詳細な解析によりこれらの筋群の体幹筋としての形態学的な位置づけを明らかにした.③従来議論のあった肩甲下筋・大円筋・広背筋の系統発生学的な分化過程を解明し,哺乳類の肩甲下筋の複数起源を明らかにした.
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