EpCAM(+)肝幹細胞は、新生仔においては高い増殖能と2分化能を有しているが、発生が進むと分化の方向性が限定され、成体になると肝細胞への分化能を失うことが明らかになった。一方で、肝実質にもクローナルな増殖能を持つ細胞が存在していることが、ラットやヒトでは示されていた。我々は、同様の細胞がマウスにも存在しているのかについて検討を行った。その結果、非血球分画のICAM-1(+)EpCAM(-)分画には、クローナルな増殖能を持ち肝細胞に再分化する細胞が存在していることが明らかになった。 新生仔由来EpCAM(+)細胞、6週令由来EpCAM(+)細胞、成体肝臓由来ICAM-1(+)細胞を、Retrorsine投与で肝細胞増殖を抑制した後に70%部分肝切除を行ったヌードマウスに移植を行い、それぞれの細胞のin vivoでの分化について検討した。その結果、最も生着率が高いのは成体肝臓由来のICAM-1(+)細胞であった。
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