肝臓の肝幹前駆細胞 (liver stem/progenitor cell; LPC)をEpCAM(+)細胞として分離し、その増殖・分化能を検討した。新生仔期のEpCAM(+)細胞は、高い増殖能と肝細胞への分化能を有していた。一方、発生が進むとEpCAM(+)細胞の肝細胞への分化能が著しく低下することが明らかになった。肝細胞への分化を抑制する分子として、発生とともにEpCAM(+)細胞で発現が上昇する転写因子grainyhead-like 2 (Grhl2)を同定した。Grhl2は肝細胞分化に必要なmiR122の発現を抑制することで、LPCの肝細胞分化を抑制していることが明らかになった。
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