腸管を支配している腸管神経系は主に頸部の神経堤に由来し、前腸に入ってきた神経堤由来の前駆細胞は中腸、後腸と腸管全体に行き渡り、ニューロンやグリア細胞になることが知られていた。我々は本研究により、腸管へ投射する外来神経線維を伝って腸管に移動してくるグリア細胞様の細胞が大腸のニューロンになることを見出し、このグリア細胞由来のニューロン新生が大腸終末部の神経節形成に欠かせないことを明らかにした。腸管神経系は主に頭部の神経堤に由来すると考えられていたが、本研究により、体幹部の神経堤由来のグリア細胞からも生じることが初めて見いだされ、形成過程の新たな様相が明らかになった。
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