研究課題/領域番号 |
25460283
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
小畑 孝二 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40378229)
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研究分担者 |
高木 都 奈良県立医科大学, 医学部, 特任教授 (00033358)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 心臓 / カルシウム / エネルギー消費 / イメージング / 酸素消費 / 筋収縮 / 遺伝子組換え |
研究概要 |
本研究の目的は、遺伝子組換え型蛍光カルシウムプローブ、G-CaMPによる丸ごと心臓でカルシウムイメージングと、心臓一拍毎の心筋酸素消費量と発生する総機械的エネルギーの関係の同時計測実験系を確立することである。申請者は、これまでに奈良県立医科大学で科学研究費の助成を受け、心臓の収縮性と酸素消費の関係について、ラット血液交叉灌流摘出心臓を用いた独自の実験系で研究を進め、多くの成果を残してきた。このラット血液交叉灌流摘出心臓の実験系では、左心室圧―容積関係から総機械的エネルギーを求め、同時に冠循環の動静脈血液酸素濃度較差のリアルタイム測定により心筋酸素消費を算出することができる。さらに、カルシウムイメージングにおいて、すでに改良型G-CaMPトランスジェニックラットを作製している。すなわち、初代G-CaMPトランスジェニックラットのカルシウムイメージングでは蛍光強度が弱く変化率も小さく、さらにmotion artifactによって正確なデータを得ることが大変困難であった。そこで、改良型G-CaMPとDsRed(赤色蛍光)の2つの遺伝子を同時発現するトランスジェニックラットを作製した。つまり改良型G-CaMP により蛍光強度変化率の上昇とDsRedによるmotion artifactの除去により、問題の解決を目指す。加えて、高速イメージングシステムを用いて、2波長による計測システムの構築を行う。またコントロール実験として、蛍光色素であるFluo-3による心臓全体でカルシウムイメージングも行う予定である。この実験系が完成すれば、心臓において圧負荷や容積負荷などのストレス時に、カルシウム動態とエネルギー代謝の関係を観察することが可能となり、従来考えられていた理論の立証や、さらには心疾患の病態生理の解明等に活躍が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請者は、一昨年まで奈良県立医科大学第二生理学講座に所属しており、科学研究費補助金を受けて本研究の基盤となるG-CaMP遺伝子組換えラットを利用した摘出心臓の血液交叉灌流実験系を用いたカルシウムイメージングと心臓の力学的エネルギー学的性質を調べる同時計測の確立を目指して研究を行ってきた。岐阜大学医学部生理学教室に異動し、さらなる発展を目指し本研究費の申請に至った。異動に伴い実験装置および改良型G-CaMP-DsRed遺伝子組換えラットを移動することになった。現在、装置のセッティングは終了し、ラット摘出心臓の血液交叉灌流実験系は、稼働できるに至った。しかし、遺伝子組換えラットの移動において、微生物モニタリングの結果、クリーン化が必要となってしまい、実験に使用することができない状況にある。そこで、代替法として蛍光カルシウム指示薬を用いて、装置の設定などの準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
はじめに改良型G-CaMP-DsRed遺伝子組換えラットを外部業者に委託しクリーン化を行う。岐阜大学の動物施設へ搬入ができれば、繁殖させ実験に取りかかる予定である。その間、時間がかかることが予想されるので、同時計測系の予備実験を行う。心臓の収縮性および酸素消費の実験系はすでに稼働しており、計測が可能である。しかしカルシウムイメージングに関しては、計測方法などのソフト的な問題にとどまらず、計測機器(レンズ、フィルターや光源など)の問題もある。そこで、計測系に問題が発生した場合の予備実験として、蛍光カルシウム指示薬であるFluo-3等の試薬を用いた丸ごと心臓でカルシウムイメージングを行う。あるいは心臓の動きによるmotion artifactを完全に除去できない可能性も十分に考えられる。そこで、心筋細胞を単離し、培養細胞レベルでの計測も視野に入れる必要があると考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度は、2波長計測システムの立ち上げのため、遺伝子組換えラットの移動および2波長計測用ビームスプリッタやその他の機器の購入のための予算を計上していた。しかし、ラットの移動の際、微生物モニタリングで陽性が出てしまい、外注業者に委託してクリーン化をする必要に迫られた。動物のクリーン化の予算を想定していなかったため、2波長用の装置の購入を延期した。そのために繰越金の発生に至っている。 外部業者に委託し、ラットのクリーン化のための予算を計上する。現在数社の業者間から見積をもらっている。また、クリーン化の代金を除いた残金ではすべての2波長計測装置の購入は困難であるため、一部購入し、条件設定のための予備実験を予定している。
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