研究成果の概要 |
嗅覚は嗅線毛から始まる。線毛には2種類の情報変換チャネル(CNG・Cl(Ca)チャネル)が発現し、匂い物質の化学情報を生体信号へと変換する。チャネルが連続的に活性化して電流増幅が起こり、最終的には活動電位が脳へと情報を伝達する。線毛内での細胞内因子の時空間分布は応答電流の発生に重要な意味を持つが、線毛の直径が100nmと微細であるため、生理学的研究は遅れていた。本研究では3つの技術(1.LSM-ROIによる局所刺激,2.ケージド化合物の線毛内光乖離,3.パッチクランプ法)を同時併用し、克服した。その結果、線毛内の分子動向の実時間解析のみならず、匂い物質自体によるチャネル抑制効果を見いだした。
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