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2015 年度 実績報告書

S100蛋白によるHelix Repeat Proteinを介した癌細胞増殖制御

研究課題

研究課題/領域番号 25460291
研究機関香川大学

研究代表者

山口 文徳  香川大学, 医学部, 准教授 (40271085)

研究分担者 徳田 雅明  香川大学, 医学部, 教授 (10163974)
神鳥 和代  香川大学, 医学部, 助教 (40457338)
董 有毅  香川大学, 医学部, 助教 (90457341)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードS00蛋白質 / PP5 / βカテニン / cdc37 / HSP90
研究実績の概要

最終年度に実施した研究成果:I.ヒト結腸線癌HCT116やHT29にS100A6のSiRNAをtransfectionしたところ、cyclinD1の発現が増加した。S100A6の発現抑制によりcyclinD1が増加することはS100A6がβカテニンシグナル系による癌細胞増殖に抑制的に働いていることを示唆する。HEK293細胞ではβカテニンとS100A6を過剰発現したところ、細胞増殖を抑制した。
Ⅱ.COS7細胞にPP5、cdc37, およびS100蛋白質を過剰発現させたところ、S100A1やS100A2ではカルシウム依存性に著明にHsp90/PP5/cdc37複合体形成が阻害された。複合体解離を大きく引き起こすS100A1とS100A2はPP5の3つのTPRリピートのC端側に結合し、あまり解離を引起こさないS100A6はTPRリピートのN端側に結合することが判明した。
全体を通じて実施した研究成果:1)今回の研究でS100蛋白質、特にS100A6がβカテニンに結合し、BCL-9との結合を阻害することによりTCF4の活性を抑制することがわかった。また、Hsp90/PP5/cdc37複合体に対しては、S100A1とS100A2が複合体を解離させ、cdc37のリン酸化状態に影響を与えることが明らかになった。S100蛋白質がこの複合体を解離させる程度の違いはPP5の3つのTPRリピートの違った部位にこれらS100蛋白質が結合することが寄与していると示唆された。
2)HCT116,HT29細胞ではS100A6が転写因子TCF4のターゲット蛋白質であるcyclinD1の発現を介して癌細胞の増殖制御をおこなっていることがわかった。またHsp90/PP5/cdc37複合体に対してはS100蛋白質が細胞内でもこの複合体の解離を引き起こしcdc37のリン酸化状態に影響を与えることが明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 酸化ストレスはS100蛋白質によるPP5の活性化を阻害するOxidative Stress Inhibits the Activation of Protein Phosphatase 5 by S100 Proteins2016

    • 著者名/発表者名
      山口文徳、土屋光正、嶋本聖子、藤本智仁、徳光浩、小林良二、徳田雅明
    • 学会等名
      第93回日本生理学会大会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター
    • 年月日
      2016-03-22 – 2016-03-24

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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