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2014 年度 実施状況報告書

不整脈基質としてのイオンチャネル異常にかかわるマイクロRNA機能制御の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25460292
研究機関大分大学

研究代表者

小野 克重  大分大学, 医学部, 教授 (40253778)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードヒト心筋 / 心房細動 / イオンチャネル / リモデリング / マクロRNA
研究実績の概要

ヒト心房筋の全RNAの網羅的解析の結果に関して
保存しているヒト心房筋の全RNA標本を用いて、イオンチャネル遺伝子を含む全mRNAの発現をDNAチップ法を用いて解析した。その結果、持続性心房細動心筋ではINa(SCN5A), IKACh(KIR3.1), ICa(CaV1.2)等の遺伝子の発現低下が認められ、その遺伝の発現を制御する機構の破綻が示唆された。このようなイオンチャネルのリモデリングが形成されているヒト心筋を用い、心房細動に特異的なマイクロRNAの発現を特定した。この過程で、コンピューター探索ソフトウェアを用いて2群間で有意に発現が異なり、かつ転写制御と発現の関連の強い遺伝子(RNA干渉とマイクロRNA)が同定された。同遺伝子はRT-PCR法を用いて心房細動心筋に発現することを再確認された。さらに、本結果は同マイクロRNAを動物心細胞に導入する、発現実験を通して再確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

動物細胞での機能を解析するために、初代培養ラット心筋細胞にmiR-Xを過剰発現させたところ、導入したオリゴ(Pre-miRNA molecule)の濃度依存的にK+チャネルmRNA発現量は抑制された。一方、Anti-miR miRNA inhibitorを用いてノックダウンするとK+チャネルmRNA発現量は濃度依存的に増加した。さらに我々は、miR-XとAfに関する研究報告はこれまでに無いため、本事業の結果からmiR-Xは心筋の電気的にリモデリング成因において重要な因子であると考えられる。したがって、miR-XはAfの発症や維持に関与している可能性が示唆され、miR-Xの発現異常の解析は心筋の電気リモデリングによるAf発症メカニズムの解明には欠かせないと考えられる。以上の、結果は申請時の計画書の平成25年度達成計画書に沿った実施に一致するものであり、研究は順調に進行している。

今後の研究の推進方策

本年はAfの発症病態にどのように関るかを個体レベルで解析して、miR-Xの発現異常が心筋の電気的リモデリングの成因なのか、それとも防御機構のひとつなのかを解明する目的でmiR-X transgenic ratの作製を試みたい。それと並行して、慢性Afで異常発現するmiR-Xが心筋細胞の電気活動にどのような影響を及ぼすかを明らかにするために、miR-Xを過剰発現あるいはノックダウンした心筋細胞の電気的性質の変化をパッチクランプ法により解析する。さらに、ラット心臓特異的プロモーターであるalphaMHCの下流にmiR-Xの前躯体を含む領域をつなげたベクターを構築し、ラットの頸静脈からmiR-Xプラスミドをinjectionして心筋特異的にmiR-X過剰発現状態にして、プラスミド投与前後の心電図を記録することで、Afが発症するかどうかを確認したい。さらにAfの発症頻度や持続時間を評価し、世界で初めての慢性Afモデル動物を樹立したい。

次年度使用額が生じた理由

少額残余(1672円)のなり、同金額で使用予定が立たないため。

次年度使用額の使用計画

少額残余(1672円)であり、事務用品等の購入に充てたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] MicroRNA-dependent regulation of K+ channel remodceling in human cardiomyocytes with persistent atrial fibrillation2014

    • 著者名/発表者名
      森島真幸
    • 学会等名
      第31回日本心電学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2014-07-22 – 2014-07-25

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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