一般的に心筋細胞においては、細胞内カルシウム濃度の上昇(カルシウムトランジェント)に引き続き収縮が観察されるが、胎生初期の胎仔心臓原基では、カルシウムトランジェントが生じているのに収縮がもたらされない現象を呈することを我々は見いだした。ただし、この現象が生じる機序は現在のところ不明であり、収縮関連蛋白質の発現量やリン酸化などの修飾、細胞内での局在の変化を検討する必要があるが、この時期の胎仔心臓原基は非常に小さいため、その測定は困難とされてきた。今回我々はマイクロアレー法、高感度ウエスタンブロット法、及びwhole mount免疫染色法を用いることによって上記問題の解決が出来ることを報告する。
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