発生初期の網膜には周辺部から腹側部へ向かう電位勾配が形成される。この電位勾配の方向は網膜神経節細胞の軸索伸長方向と一致する。本研究では、細胞外電位勾配による軸索ガイダンスの分子メカニズム、及び、細胞外電位勾配の起源となるイオン機序の解明を目的とした。 鶏胚網膜から網膜切片を作製し、本研究において開発した定電場培養システムにおいて24時間培養した。その結果、1) 電気的軸索誘導に細胞外カルシウムイオンが関与すること、2) 細胞接着分子であるインテグリンが関与すること、及び、3) 細胞外電位は上皮型ナトリウムチャネルを介すること、を明らかにした。
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