研究課題
前年度の研究ではQuantiGene ViewRNA法を用いてマウス切片におけるPparγ1svの特異的検出を試みたが、Pparγ1svの発現量が低いため検出できなかった。そこで平成26年度はPparγの共通領域でプローブ配列を設計してPparγの全てのスプライシングバリアントを検出することを試みた。その結果、微弱ではあるがマウス17日胚の唾液腺と思われる部位にてPparγの発現を確認することができた。また脂肪組織や毛根などでもPparγの発現が認められた。一方抗Pparγ抗体を用いたマウス胚切片の免疫染色の実験では、残念ながらネガティブコントロールと比較して明らかにPparγの発現が認められる組織は確認できなかった。Pparγ1svの発現制御機構の研究では、Pparγ1svおよびPparγ2の転写がPPARγタンパク質自身によって制御されている可能性を検証した。まず遺伝子発現バンクGEOに登録されているPPARγ抗体を用いたChIP-seqのデータからPPARγ遺伝子およびそのプロモーター領域にPPARγタンパク質が結合している部位が存在するかを解析したところ、3カ所で顕著な結合が確認された。そこで3T3-L1の脂肪細胞分化誘導時にPPARγタンパク質がこれらの部位に結合しているかどうかをChIP-qPCRを用いて確認したところ、分化2日目に3カ所すべてでPPARγタンパク質の有意な結合が認められた。一方Pparγ1svの胎生期における機能を解明するため、竹中と研究分担者(中野、井上)は、Pparγ1svにユニークなエクソンCのみを欠損したノックアウトマウスの作製を行った。得られたエクソンCのホモノックアウトマウスは野生型と比較して低体重、脂肪組織量の低下などの表現形が確認された。今後さらに詳細な解析を行う予定である。
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Eukaryotic Cell
巻: 13 ページ: 1181-1190
10.1128/EC.00112-14
http://www.saitama-med.ac.jp/uinfo/mnaika4/results.html
http://researchmap.jp/read0209589/