研究課題
平成25年度にLRP1のloxpマウスと消化管神経を含む神経堤由来領域に特異的なCre蛋白とGFP蛋白を発現させたマウスとの交配を行い、Cre/loxpシステムによる神経堤由来領域に特異的なLRP1遺伝子の欠失を試み、産仔を得ることが出来た。平成26年度にこのマウスの遺伝子解析を行ったところ、LRP1のホモ欠損マウスは得られておらず、ヘテロ欠損マウスのみが得られていることが判明した。ホモ欠損マウスは受精以降のいずれかの段階で致死的になっていることが推察された。平成27年度にはこのヘテロ欠損マウスの表現形解析を行った。消化管運動を経時的に定量化できるorgan bathを用いて小腸の解析を行ったところ、ヘテロ欠損マウスでは野生型と比較して、蠕動運動の低下を認めた。これにより、LRP1遺伝子のヘテロ欠損、すなわちLRP1の発現量が減少することで消化管運動に影響を及ぼすことが示唆された。引き続き、表現形の解析を行っていたが、年度途中の感染モニタリングにおいて、微生物が検出されたため、一旦、飼育を中断し、微生物クリーニングを行った。体外受精により、再びマウスの個体を得ることができた。研究期間は終了したが、これ迄に得られたLRPヘテロ欠損マウスを用いて、次年度以降も引き続き、表現形の解析を行い、本研究計画の目的である脂質摂取によるLRP1を介した消化管運動調節機構についての検討を行う予定である。
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