研究実績の概要 |
TRPM7の分子内にある酸化ストレスセンサーを同定するため、酸化のターゲットとなりうるシステイン残基(分子内に計36残基)のうち、その酸化がTRPM7電流の抑制につながるものを探索している。H26年度中に既に12個のシステインについては、酸化ストレスセンサーとしてはたらいていないことが変異体を用いた実験によって明らかになっている。H27年度は、残り24個のシステインについて検討を行った。 この24残基については変異体を作成する前に、効率化のために以下のようなスクリーニングを行った。精製用にSBPタグを付加したTRPM7をNMMで処理する。システイン残基を修飾するNMMはTRPM7を抑制するため、酸化ストレスセンサーはNMM化されると考えられる。NMMで処理したTRPM7発現細胞からTRPM7タンパクを精製し、質量分析によりNMM化されたシステイン残基を同定した。 NMM化が確認されたのは、C29,C1314,C1351,C1605,C1628,C1707,C1786の7つで、このうちC29は既にNt deletion変異体を用いた実験で除外されている。またC1351はマウスにはありますがヒトではないため、ヒトとマウスの両方で見られる酸化ストレス感受性を担うとは考えられない。したがって、C1314、C1605、C1628、C1707、C1786の5つのアラニン変異体を作成した。
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