研究課題/領域番号 |
25460309
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
増渕 悟 愛知医科大学, 医学部, 教授 (80362771)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 概日リズム / 癌 / 低酸素 |
研究実績の概要 |
これまでに低酸素が大腸癌細胞細胞株HCT116の概日リズムをシフトさせる原因は、低酸素によって癌細胞から生じ培地中に放出される酸であることを明らかにした。この代謝による酸が細胞内に生物時計リセットの情報を伝えるメカニズムを明らかにするために既知のプロトン受容体のmRNA発現をスクリーニングした。その結果HCT116においてプロトン受容体であるGPR4が発現していることが明らかとなった。このGPR4の役割を明らかにするためにU6プロモーターを利用したshRNA[FASEB J. 2005 May;19(7):819-21]を発現するプラスミドを細胞に導入しノックダウン細胞を作製した。またHCT116において低酸素暴露により時計遺伝子Per1,Dec1が誘導されることが分かった。これらの遺伝子誘導は低酸素による培地のpH低下を抑制しても変化がない。そのため、代謝酸を介する機序と異なる癌細胞時計シフトの機序があることが考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
低酸素が癌細胞リズムをシフトさせる細胞内メカニズム解明のための有力な知見を得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
GPR4ノックダウン細胞を低酸素暴露し、リズムフェノタイプを解析することでGPR4の酸による癌細胞時計リセッティングへの関与を明らかにする。Per1,Dec1のノックダウン細胞を作製、解析し癌細胞時計リセッティングへの関与を明らかにする。 実際の固形腫瘍内での血管からの距離によって生じる低酸素→有機酸が組織内細胞のリズム構築に与える影響を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
放物線からなる凹面鏡と光電子増倍管を組み合わせたマウスin vivo腫瘍リズムモニタリングシステムを構築するための予算に充てるため。
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次年度使用額の使用計画 |
放物線からなる凹面鏡と光電子増倍管を組み合わせたマウスin vivo腫瘍リズムモニタリングシステムを構築する。
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