エストロゲンは排卵誘発に必須のステロイドである。エストロゲン合成酵素遺伝子欠損(ArKO)マウスを用いて排卵制御機構を解析した。ArKOマウスの卵巣はFSHに対する感受性が野生型マウスのそれと比べると有意に低いことがわかった。ArKOマウスではFSH刺激前に卵巣内のcAMP量が非常に高いことが、FSHに対する感受性の低下の原因の一つと考えられた。ArKOマウスの排卵誘導効率は約60%であり、野生型マウスの効率と比べると有意に低い。インスリンを投与するとその効率を80%まで改善できることが分った。ArKOマウスの卵巣はインスリンに対する感受性が低下している可能性が考えられた。
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