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2013 年度 実施状況報告書

Gタンパク質共役型受容体結合蛋白質による受容体シグナル制御の多様性と普遍性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25460326
研究種目

基盤研究(C)

研究機関北海道大学

研究代表者

寺田 晃士  北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70342722)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードエンドセリン受容体 / ユビキチン
研究概要

エンドセリン-1(ET-1)は血管収縮、細胞増殖など多彩な作用を有し、高血圧、動脈硬化症、心不全、脳血管攣縮、肺高血圧症などの心血管系病態の発症・進展において重要な役割を果たしている。ETの作用はET受容体(ETR)を介して発現し、細胞膜上の受容体レベルの調節は、ETの生理・病態学的に重要であると考えられている。しかし、ETRレベルの調節機構に関しては、細胞内C末端領域が重要な役割をもつこと以外にはほとんど知られていない。本研究において我々は、C末端領域のユビキチン化が、細胞内移行による受容体レベルの調節において重要な役割をもつ可能性を考え、検討を行った。
HEK293細胞に安定的にエンドセリンB型受容体(ETBR)発現させ、ETBRのユビキチン化を、免疫沈降法とウェスタンブロット法とで解析することによって、ETBRの細胞内移行を、ET-1刺激前と刺激後の細胞表面上のETBRの量を比較することにより解析した。野生型ETBRではET-1刺激依存的なユビキチン化が観察された。一方、C末端領域のリジン残基をアルギニン残基に置換した変異型ETBRでは、ユビキチン化は認められなかった。野生型ETBRではET-1刺激前と比較して刺激後に、細胞表面受容体量の減少が認められた。一方変異型ETBRでは、刺激前後で大きな変化は認められなかった。野生型ETBRを発現する細胞では、ET-1刺激依存的なERKのリン酸化や、細胞内Ca2+濃度の上昇などの反応が認められる。変異型ETBR発現細胞では、ERKリン酸化の持続時間やCa2+反応の増大、増強が観察された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

エンドセリン受容体の2つのサブタイプであり、かつ、アゴニスト刺激後のtrafficking経路および刺激後の運命の異なるETARとETBRを用いて、ETARとETBRの、アゴニスト刺激後の運命の違いが、細胞内領域のユビキチン化によるものであるということを見出した。それにより、アゴニスト刺激後の受容体制御の多様性に、ユビキチン化が重要な役割をもつということを明らかにしたため。

今後の研究の推進方策

ここまでは、エンドセリンB型受容体(ETBR)の細胞内領域がアゴニストであるエンドセリンの刺激によりユビキチン化されることと、ユビキチン化のETBRトラフィッキングにおける役割を明らかにしてきた。今後は、リン酸化といった、ユビキチン化以外の翻訳後修飾の、ETBRトラフィッキングにおける役割を明らかにする。そのために、ETBRの細胞内領域の、セリンやトレオニンといった、リン酸化部となりうるアミノ酸残基をアラニンに置換し、リン酸化されない変異体ETBRを作成し、それら変異体の細胞内移行や分解などについて解析する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Endothelin receptor signaling: new insight into its regulatory mechanisms2013

    • 著者名/発表者名
      Harada T., Horinouchi T., Higa T., Hoshi A., Higashi T., Terada K., Mai Y., Nepal P., Horiguchi M., Hatate C. and Miwa S.
    • 雑誌名

      J Pharmacol Sci.

      巻: 123 ページ: 85-101

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of stable cytotoxic factors in the gas phase extract of cigarette smoke and pharmacological characterization of their cytotoxicity2013

    • 著者名/発表者名
      Noya Y., Seki K., Asano H., Mai Y., Horinouchi T., Higashi T., Terada K., Hatate C., Hoshi A., Nepal P., Horiguchi M., Kuge Y. and Miwa, S.
    • 雑誌名

      Toxicology

      巻: 314 ページ: 1-10

    • DOI

      doi: 10.1016/j.tox.2013.08.015

    • 査読あり
  • [学会発表] エンドセリンB型受容体のトラフィッキングにおける受容体ユビキチン化の役割2014

    • 著者名/発表者名
      寺田晃士、堀之内孝広、東恒仁、Nepal Prabha、堀口美香、旗手千鶴、星暁壮、眞井洋輔、原田拓弥、三輪聡一
    • 学会等名
      第87回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      仙台(仙台国際センター)
    • 年月日
      20140319-20140321
  • [学会発表] エンドセリンB型受容体のET-1刺激誘発的な細胞内移行とシグナルの制御におけるユビキチン修飾の役割

    • 著者名/発表者名
      寺田晃士、堀之内孝広、東恒仁、Nepal Prabha、堀口美香、旗手千鶴、星暁壮、三輪聡一
    • 学会等名
      第64回日本薬理学会北部会
    • 発表場所
      旭川(大雪クリスタルホール)

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公開日: 2015-05-28  

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