研究課題/領域番号 |
25460337
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
頼仲 方一 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (90244110)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | TNNI3K / モノクローナル抗体作成 / マウス血中TNNI3K 濃度 / ヒト血中TNNI3K 濃度 / ELISA法 / マウス心筋梗塞モデル / 国際研究者交流 / 国際研究情報交換 |
研究実績の概要 |
我々は感受性が高い、特異性も高い虚血性心疾患病態の診断薬を開発するため、TNNI3K遺伝子の全長アミノ酸配列をコードするcDNAより作製したリコンビナント蛋白をマウス膵臓に免疫し、マウスの抗ヒトTNNI3Kのモノクローナル抗体を作成と精製した。さらに、各種濃度のリコンビナント蛋白を用いて作製したモノクローナル抗体の検量線を作成し蛍光ELISA法の性能を評価し、抗ヒトTNNI3Kモノクローナル抗体を用いたマウス心筋梗塞モデルを用いて血中TNNI3Kレベルを48時間で追跡した。その結果、マウス心筋梗塞モデルの血中TNNI3K濃度は虚血開始2時間後から上昇、12時間後にはピーク、48時間後にも同様な高いレベルを維持し、血中TNNI3K濃度の変化は早期診断薬として利用可能ことを示唆した。
一方、我々は中国幹南医学院へ訪問し、該医学院付属病院の王伯群院長及び心内科王小萍教授の研究チームの協力で、抗ヒトTNNI3Kモノクローナル抗体を用いた、健常者及び急性心筋梗塞(AMI)患者の血中TNNI3K 濃度の変化を共同研究することを合意した。その研究必要なすべての倫理学審査書類を準備した後に、健常者の健康診断時に廃棄された血液サンプル(n=211,血清)及び入院されたAMI患者(n=173)のサンプルの使用などの同意をすべて揃って頂き、血液サンプルの血清を検体としてTNNI3Kの血中レベルを測定した。その結果: 抗ヒトTNNI3Kモノクローナル抗体を用いた健常者およびAMI患者の血中TNNI3Kレベル測定のためのELISA法を確立したが、AMI患者の血中TNNI3Kレベルは健常者より有意的に高かったことを示唆した(P<0.001)。抗TNNI3K モノクローン抗体は、心筋虚血や心筋梗塞など虚血性心疾患の診断に、感受性も、特異性も高いですが、今後の新規心疾患診断薬を開発する道へ行うと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請当時の研究計画方法は平成25年度と26年度以後二つ段階を別れて行った。その中、26年度以後の研究内容について、9部分を含有していた。その中、4から9段階は、主に金コロイド銀増幅チップの作成と性能分析であった。当日の計画についてはフナシコ社へ少数量の空チップを外注し、我々の一次抗体と二次抗体をセットアップして、ELISA法と金コロイド銀増幅法の血中TNNI3Kへの反応効果と速度を比較したい。しかし、フナシコ社は最小限が100個であり、その総額が税金別計210万円であった。さらに、フナシコ社は他の可能性を拒否するので、金額も予想外が高かったが、現在の基盤研究Cの余額では足りないですが不可能であった。 従って、我々は、化学が専門である、いつも共同研究に協力をして頂きました上海応用技術学院の劉小珍先生にお願い、彼の研究チームから支援を頂き、TNNI3Kの金コロイド銀増幅型検査チップの作製を行なった。
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今後の研究の推進方策 |
我々が開発したMAPキナ-ゼTNNI3Kを用いた新しい心疾患診断薬の特徴として、その一、感受性が高い、血中TNNI3K濃度は急性心筋梗塞患者の方が健常者の方より十倍以上高かった;その二、特異性が高い:血中TNNI3K濃度の変化とcTnI濃度の変化を比べると、TNNI3Kは、AMI患者の血清のみ上昇するが、cTnIの場合ではAMI患者のみならず、急性腎不全患者の血液サンプルにも見られた。その三、早期確診薬として利用可能:血中TNNI3K濃度は虚血開始2時間後から上昇、12時間後にピークを迎え、48時間後でも同様な高いレベルに維持している。即ち、我々が樹立しており抗TNNI3Kポリクローナル及びモノクローナル抗体を用いで心筋虚血や心筋梗塞の早期診断を行うことが可能である。そこで、診断薬開発メーカーなどと連携し診断キットが開発できれば、心疾患の迅速な診断が可能になるものと期待できる。また、創薬メーカーと提携することですれば、この抗体を用いた新規ターゲットの治療剤の開発につなげたいと考えられた。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に開催される学会に参加する予定であったが、平成27年度に開催される学会に参加するよう変更したため、未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
1.学会参加:Lai ZF, Zhang TL, Yu-Zhen Chen. Functional analysis of TNNI3K MAP kinase - From basic to clinical research. ASCEPT-BPS Molecular and Cellular pharmacology Session, 2015. Hong Kong, May 19-21, 2015.発表予定 2.航空券日当、ホテルなど費用;3.総計概算:約20万
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