• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

ストレスによるクラスリン依存性転写調節の解析

研究課題

研究課題/領域番号 25460338
研究種目

基盤研究(C)

研究機関福島県立医科大学

研究代表者

坂本 多穂  福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80433150)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードクラスリン / ストレス / 飢餓 / メンブレントラフィック / p53
研究概要

平成25年度はクラスリンについて研究し、以下の結果を得た。
1)CHC22マウスの骨格筋再生異常の観察:クラスリンCHC22を強制発現させたマウス(CHC22TGマウス)で、骨格筋再生が停滞することが判明した。そこで、私はこのマウス由来の筋幹細胞の筋分化について培養条件下で検討した。CHC22TGマウスの筋芽細胞は野生型マウスと比較して分化は早いものの、やがて萎縮し、脱落した。これは、CHC22がメンブレントラフィックを停滞させた結果だと考えられる。この研究結果はHoshino, Sakamoto, et al., 2013としてPLOS ONEから出版した。
2)CHC17/22の飢餓ストレスによる脱重合:クラスリンの重合脱重合は正常なメンブレントラフィックを行う上で重要である。飢餓ストレスが細胞内でのクラスリンに及ぼす影響を調べたところ、クラスリンの脱重合促進が明らかになった。次いで、飢餓条件時に活性化するAMP依存性キナーゼの活性化薬AICARあるいはA769662によりこの効果は再現した。これは栄養条件の変化により、メンブレントラフィックが影響を受けることを示唆する結果である。本成果は現在投稿準備中である。
3) CHC17の核移行:クラスリンが核で転写因子p53活性を上昇させる。そこで各種ストレスによるクラスリン重鎖の核移行をHeLa細胞で解析したところ、飢餓ストレスで核移行が促進することが見出された。さらなる解析をする目的でp53をもつMCF-7で解析を始めたが、飢餓耐性が強く安定して核移行を観察できていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前項1), 2)は予定通り達成したと考えるが、前項3)については安定した実験結果を得られていないため、やや遅れ気味と判断した。

今後の研究の推進方策

CHC17核移行の解析に関しては、p53発現細胞での実験条件を精細に定めてさらに検討する。

次年度の研究費の使用計画

想定よりも実験プロトコールの適正化に時間を割いたため、高額試薬機器の発注を先延ばしにしたから。
プロトコールが固まり次第、順次使用する計画である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] THE INHIBITORY EFFECT OF SHAKUYAKUKANZOTO ON K+ CURRENT IN H9c2 CELLS.2014

    • 著者名/発表者名
      Suganami A, Sakamoto K, Ono T, Watanabe H, Hijioka N, Murakawa M, Kimura J.
    • 雑誌名

      Fukushima Journal of Medical Science.

      巻: 60 ページ: 1-9

    • DOI

      10.5387/fms.2013-16

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The CHC22 clathrin-GLUT4 transport pathway contributes to skeletal muscle regeneration.2013

    • 著者名/発表者名
      Hoshino S, Sakamoto K, Vassilopoulos S, Camus SM, Griffin CA, Esk C, Torres JA, Ohkoshi N, Ishii A, Tamaoka A, Funke BH, Kucherlapati R, Margeta M, Rando TA, Brodsky FM.
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 8 ページ: e77787

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0077787

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mechanism of statin-induced rhabdomyolysis.2013

    • 著者名/発表者名
      Sakamoto K, Kimura J.
    • 雑誌名

      Journal of Pharmacological Sciences

      巻: 123 ページ: 289-294

    • DOI

      10.1254/jphs.13R06CP

    • 査読あり
  • [学会発表] 2型糖尿病関連因子クラスリン重鎖CHC22の機能解析

    • 著者名/発表者名
      坂本多穂, Jorge Torres, Stephane Camus, Frances Brodsky
    • 学会等名
      日本薬理学会北部会
    • 発表場所
      旭川市
  • [学会発表] クラスリン重鎖CHC22被覆調節のメカニズム

    • 著者名/発表者名
      坂本多穂, カムス M ステファン, トーレス A ジョージ, ブロズキー M フランシス
    • 学会等名
      日本生理学会年会
    • 発表場所
      鹿児島市
  • [学会発表] クラスリン重鎖CHC22制御機構の解明

    • 著者名/発表者名
      坂本多穂, カムス ステファン, トーレス ジョージ, ブロズキー フランシス
    • 学会等名
      日本薬理学会年会
    • 発表場所
      仙台市

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi