クラスリンは核内にて転写因子p53を活性化させることが知られている。本研究ではクラスリンの核内移行を促進させるシグナルについて検討した。 クラスリン蛋白質の飢餓ストレスによる核移行がヒト子宮頸がん由来HeLa細胞においては観察された。しかしクラスリンとの相互作用が示されているp53を発現する細胞株(ヒト乳癌由来細胞MCT7、ヒト大腸癌由来HCT115細胞)では同一条件ではクラスリンの核移行は再現されなかった。 これまで、飢餓条件を負荷する際にグルコース、アミノ酸類、血清のすべてを除去した溶液中で細胞を培養していたが、これら栄養素をひとつひとつ除去した溶液を作製してクラスリン核移行を検討した。しかし、いずれの条件でもクラスリン核移行が観察されなかった。
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