研究課題
基盤研究(C)
現在のところ、本研究計画の前段階であるIQGAP3の細胞質分裂への関与を明らかにした論文がまだ受理に至っておらず、そのリバイス実験のために実験計画段階で予定していた実験の多くに未だ手が付けられないでいる。現在はまず論文の受理に向けて全力で取り組んでおり、受理され次第、速やかに本課題の研究に取り組んでいきたいと考えている。課題1のIQGAP3のエフェクターの同定に関しては、現在までに確からしい分子の同定に成功しており、そのIQGAP3との分子間相互作用の制御・機構などの詳細について解析中である。またその分子のRNAiによる表現型をIQGAP3のそれと比較検討し、両分子間の機能的関連性についても注意部深く検討している。課題2のIQGAP3のノックアウト細胞の作製に関しては現在までに全く手を付けられていない。課題3の組換え蛋白質の作製については、現在までに様々な工夫を重ねてきたが、哺乳類細胞を用いた発現方法では、発現量の少なさと精製純度低さの問題を改善することができていない。そこで現在は代替手段として比較的多くの発現量の得られる昆虫細胞の発現系を用い、使用するタグの変更などのコンストラクト面での改良や、結合分子との共発現によって発現分子の安定化を試みるなどの発現系の改良などを行うことで、これまで満足な成果の得られていなかった発現分子の質の問題に改善が見られないかを検討している。課題4の新規細胞質分裂制御因子の解析については、現在のところ全く手が付けられていない。
3: やや遅れている
前述したように、現在のところ研究計画の前段階であるIQGAP3の細胞質分裂への関与を明らかにした論文の受理に至っておらず、計画していた実験の多くに未だ手が付けられていない状態である。また課題3については、克服すべき問題点が当初予想していたよりも困難なものであることがわかり、代替手段の検討をせざるを得ないという現状がある。
まずは研究計画の前段階である論文の受理を速やかに実現するために全力を尽くす。その上で、現状全く手つかずの課題2と4については特に力を入れてその遂行に努める。また特に課題3については、計画当初の哺乳類細胞発現系について、他機関の研究者に協力を仰ぐなどし、その実現の可能性をさらに探る。
先に述べた理由で本年度の研究の進行が当初の計画よりも遅れたため、結果として本年度に使用した助成金が当初の予定よりも少なくなってしまった。来年度は本年度遂行することの出来なかった研究を、当初予定の本年度分の研究と併せて進めていく予定である。
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Curr Biol.
巻: 23 ページ: 1181-1194
10.1016/j.cub.2013.05.014.
http://cell.mfour.med.kyoto-u.ac.jp/