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2014 年度 実施状況報告書

Rifによるエメリンの分解制御とその核膜動態における役割

研究課題

研究課題/領域番号 25460367
研究機関神戸大学

研究代表者

西田 満  神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30379359)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードRif / エメリン / DDB1 / ユビキチン化 / Rhoファミリー
研究実績の概要

前年度までに、RifがE3ユビキチンリガーゼDDB1と結合し、また、DDB1のノックダウンによって内在性のRifのタンパク質量が増加することを見出した。そこで、RifとDDB1の結合について、Rifの野生型、活性型、不活性型のどれがDDB1とより安定に結合するのかについて検討した。その結果、DDB1はRifの不活性型と最も安定に結合することが明らかになった。この結果は、Rifの不活性型が特異的にユビキチン化を受けるという前年度までの結果を支持する。したがって、Rifは不活性化状態においてDDB1と結合し、ユビキチン化を受けると考えられる。次に、DDB1のノックダウンがRif以外のRhoファミリー低分子量Gタンパク質のタンパク質量にも影響を与えるかどうかを検討した。その結果、DDB1をノックダウンした細胞において、RhoAはRifとは逆に減少し、RacとCdc42はほとんど変化が認められなかった。したがってDDB1はRhoファミリーに中ではRif特異的にユビキチンリガーゼとして機能していることが示唆された。
Rifはエメリンと結合することを見出しているが、その結合が直接的なものか、また、RifのGTP結合型(活性型)、GDP結合型(不活性型)、ヌクレオチド非結合型といった違いによってエメリンとの結合が変化するのかについて検討した。そのため、GSTタグを付加したRifとMBPタグを付加したエメリンをそれぞれ大腸菌から精製した。in vitro結合実験の結果、RifのGDP結合型とGTP結合型が同程度にエメリンと結合し、Rifのヌクレオチド非結合型とエメリンとの結合はそれらの結合に比べて弱いことがわかった。したがって、Rifは直接エメリンと結合し、その結合はRifのヌクレオチド結合型がより安定であると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

RifとDDB1の関係やRifとエメリンの関係について、前年度の結果を発展させる成果が得られたことから、概ね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

Rif、DDB1、エメリンの関係について、より詳細な生化学的解析を行うことによって、それらの機能についての分子機構を明らかにする。また、Rif、DDB1、エメリンの関係についての生理的・病理的役割を明らかにするため、細胞浸潤アッセイ等のモデルを用いた解析を行う。

次年度使用額が生じた理由

26年度に、精製タンパク質を用いたin vitroユビキチン解析を行う予定であったが、in vitroユビキチン解析に必要な精製タンパク質が十分得られなかったため、計画を変更しin vitro結合解析を行う こととしたため、未使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

in vitroユビキチン解析を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Insight into the role of wnt5a-induced signaling in normal and cancer cells.2015

    • 著者名/発表者名
      Endo, M., Nishita, M., Fujii, M., and Minami, Y.
    • 雑誌名

      Int. Rev. Cell Mol. Biol.

      巻: 314 ページ: 117-148

    • DOI

      10.1016/bs.ircmb.2014.10.003

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Critical role of Frizzled1 in age-related alterations of Wnt/beta-catenin signal in myogenic cells during differentiation.2014

    • 著者名/発表者名
      Doi, R., Endo, M., Yamakoshi, K., Yamanashi, Y., Nishita, M., Fukada, S. I., and Minami, Y.
    • 雑誌名

      Genes Cells

      巻: 19 ページ: 287-296

    • DOI

      10.1111/gtc.12132

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Role of Wnt5a-Ror2 signaling in tumor invasion.2014

    • 著者名/発表者名
      Nishita, M.
    • 学会等名
      University of Washington and Kobe University International Joint Symposium.
    • 発表場所
      神戸ポートピアホテル(神戸市)
    • 年月日
      2014-12-15 – 2014-12-16
    • 招待講演
  • [備考] 神戸大学ホームページ

    • URL

      http://www.med.kobe-u.ac.jp/medzoo/

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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